この映画の監督は崔 洋一さんです。北野 武さんと巨匠の二人で作り上げた究極の完成度の高い映画です。北野 武さんにはほとんど演技注文をつけなかったそうです。管理人はラジオかなんかで崔監督が云っていた

のを聞きましたから。管理人が育った幼少の頃の時代はみんなが貧しかった。特に朝鮮人は差別もあって就職は厳しかったと思います。『金 俊平』という人物の一生涯を描いています。『怪物』と呼ばれた人間でした。

戦後のどさくさにかまぼこ工場を起業し、大儲けをします。どど助平、いや、超ど級の助平おやじです。むりやり犯すようなシーンも出てきます。女性を奴隷のように従わせます。俊平の娘が首を吊って死んでいる残酷なシ

ーンに、管理人は涙してしまいました。いきさつは、こうです。娘は怪物の父親から逃れる為に嫌な男と結婚します。しかし、嫉妬に狂った夫に毎日暴力をうけます。我慢し、耐え忍び続けるのですが、ある日弟の『まさお』

の借金を夫に口汚くののしられ暴力を受けます。まさおの元に逃げ帰った娘は、まさおに、家出してアパートを借りて住むお金を貸してくれと懇願します。でも、まさおも俊平に似てきていて、お金の亡者になってしまっていまし

た。まさおは『死にたいなら死んだらええやん。』と云って姉を冷たく突き放します。で、本当に姉は首を吊ってしまうのでした。その他、数々のエピソードが出てきます。脳腫瘍で寝たきりになった愛人を絞殺してしまうシーン

とかも哀しいです。俊平の過酷な取立てに耐え切れずに川に身を投げ、自殺する鋳物工場の社長のシーンも哀しいです。(鋳物のシャックルを体に巻きつけて橋の上から飛び降りるのです。)いつしか、身内も誰も信用でき

ない、お金しか信じられないという、お金の亡者になってしまった俊平の心の哀しさが見事に描かれています。

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