管理人はずっと昔、一人住まいをしてました。そこは、京都の南の方の、のどかな田園風景が広がる静かなところでした。

雑種のちっちゃい犬の「チビ」と一緒に暮らしてました。毛色は柴犬と同じような茶色でした。

その頃、管理人は大阪の会社に勤めてました。朝早く出て、夜遅く帰宅してました。チビはその間ひとりぼっちでした。退屈な1日であったろうと思います。でも、管理人はチビを飼う前はもっと帰宅が遅かった。

時々、大阪のカプセルホテル泊まりで京都に帰らなかったりもしてました。管理人はだから出来るだけ早く帰ってやろうと思ってました。帰ってきた私の顔を見て、目を細めて尻尾をふるチビを早く抱きしめてやりたかったからです。

スジ肉やチクワを買って食べさせたりもしましたが、ほとんどは「ドッグフード」でした。管理人はミルクが大好きでいつもがぶ飲みしてました。チビにもミルクはたっぷり与えてました。

散歩は近くの畑のあぜ道でした。チビはいつも狂ったようにはぁはぁいいながら歩きました。管理人に似たのか落ち着きの無い犬でした。

1年目の夏、お盆前の15日でした。管理人は兄と一緒に車で海釣りに出かけました。日本海方面へ向かいました。30分程走ったあたりでしたか、突然犬が車の前に飛び出してきました。

真っ白い犬でした。ギキィー!!管理人は急ブレーキをかけ止まりました。がしかし犬は車の下に巻き込まれたような???。管理人は下車して車の下を覗いて見ました。「ホッ」犬はいませんでした。やれやれ良かった、轢き殺さずに済んだと一安心しました。そして気を取り直して再び車を走らせました。

翌日16日、管理人は実家に帰ってきました。帰ってきた我々に思いがけない事実が父からもたらされました。「チビ」が死んだという驚愕の事実でした。
「わしが鎖を外したばっかりに、・・・」とうなだれて詫びる父。

15日、我々があの白い犬を轢きそうになったちょうど同じ頃に、チビが自動車に正面衝突して死んでしまったと聞き、偶然かもしれませんが、あれはチビが霊となって我々に最後のお別れに現れたのだと確信しました。合掌。

母はお盆に殺生しに行くからだと怒ってました。
管理人はこれ以来お盆には殺生に行かないようになりました。管理人は家に帰ってくる度に「チビ、ごめんな。」と心の中で謝ってました。

今でも夢の中にチビが出てくることがあります。管理人はチビを亡くしてその心の傷がいまだに癒されていません。今度のお盆には【ミルクとお線香】をあげてやろうと思ってます。




2005 AUg16 チビの為に 合掌。

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